NY~SF 研修行脚 その7


 さて、企業訪問はこのエントリーで終わりです。広告とかマーケティングに関係ない方はつまんなくてすいませんでした。これ書いたらアホに戻りますw というわけで、twitter社です。




 エレベーターホールにて。青のイメージがあるけど、これは木で出来てます。意味は後ほど。




 エントランスロビー。静かな空間。カウンターもやっぱり木で出来てます。




 鹿さんがお出迎え。鳥と同じくらい古くからのモチーフなんだと。Deer≒Dear みたいなこと??




 世界各国のツイッターに関する雑誌記事のクリッピング。日本語もありました。もちろん「なう」で。




 受賞の間。いろいろありますが知らないアワードばかり・・・ 一応飾ってある程度なもんであんまり興味ないんだってw


  


 ツイッターのビッグアイデア「TELL YOUR STORIES HERE」のネオンサイン。




 個人的には一番お気に入りの場所(お前に聞いてないってかw)。お日様サンサンの食堂の角。窓からはサンフランシスコの町が見えます。社員がのんびり二人でブレストをしてました。楽しげじゃった・・・
 


 ゲームルーム。なにをするかって、ゲームをするためだけの部屋。こういう粋な投資が日本の会社にはあんまりないですよね。特に大企業。ある程度小規模じゃないと結局作ったところで混んじゃってダメって話はあるんだろうけど。このほか、ヨガルームがあったりで。いかに仕事のパフォーマンスを上げられるオフィス環境かどうかは向こうでは就労先を決める上でとっても重要なポイントだそうです。特にエンジニアみたいな内勤職種の人たちはなおさら。グーグルやフェイスブックに優秀なエンジニアが行ってしまわない様に、くだらないと思うかも知れないけどこういう投資は大事なんだと。




 フードコート。食事は全部ケータリングで食べます。あんまり食事できそうなところがオフィスの周りになかったかもそういえば。スモーキングルームがこの会社にはなく、それに変わって気軽に社員同士が交流できるようにと、ランチケータリングになったそうです。みんなで食べてみんなでおしゃべり。おしゃべりってすんごくアイデアを生み出す上で大事だからね。ってかこの会社自体「おしゃべり」で成り立ってるようなもんだしね!



 で、一通りオフィスツアーをしたあとに、お出ましです。日本向けの展開の担当マネージャーの松沢由香里さんと、共同創業者兼アートディレクターのBiz Stone氏。主に二人にプレゼンしていただきました。写真写ってないけど、コーディネートに当たってはデジタルガレージの佐々木智也さんに、わざわざSFまで来ていただいて・・・ ありがたやありがたや。


 ツイッターとは、っていう説明からするつもりはないんですけど、あれって元は、バイク便のメッセンジャー同士が配達進捗状況や渋滞情報をシェアするという使い方を念頭においたミニブログサービスだったそうです。あんまはやらなかったんだけどってBizは言ってたけど。それがとあるメディア系カンファレンスで試しにオフィシャルに運用してみたら、よりよいセミナー会場の情報がツイッターで共有されまくり、人が何の目立った合図もなく一斉にぞろぞろと特定の面白いとうわさされている会場になだれ込む、さながら渡り鳥のムレのような現象が起こったんだと。それをみて、イケるって思ったとw その様子から鳥のモチーフおよび「Tweet」という着想は得たそうな。


 Bizは非常に物腰柔らかで、ほとんどお金の話をしない人だった。元々デザイナーってこともあってか、いいものを提供したい、それによってpositive global impactを及ぼしたいってことが全てだったように感じる。彼は次に災害情報や緊急時の連絡など、人の命につながるような有用な使い方が出来ると直感。実際イラクのテロやムンバイの地震など、現地情報は全てプロの報道よりも現地のツイートからの方が早く、より多角的に意見を見ることによって深く理解できたという。その日の総TLをオフィスで眺めながら、人と人とが情報を共有しあいながら人々の心が群れのように動いていくダイナミズムは忘れられないんだそうな。分かる気がする。


 で、新UIの話も出ました。オフィシャルの紹介ムービーがこちら。



 新UIは、動画などのリッチコンテンツが別ウインドウで開かなくても確認ができるとか、それについて言及しているほかのまだフォローしていない人が表示されるなど、より「速く」「シンプルに」「リッチな体験」ができるように考えられているそうです。この紹介動画で描かれているデートコース自体、ツイッター上で「理想のデートプランを教えて!」と投げかけて集まってきた意見を集約して作られているそうです。UI自体には当然好き嫌いがあるので昔の方が良かったとか、どうせサードパーティーのアプリ使ってるから関係ないという意見も多いと思うんですが、彼らが言っていたのは「自分たちはボトムを提供する」ということ。ツイッターの今日の普及はサードパーティがオープンAPIをちゃんと使って、創業者本人たちの創造を越えた面白いアイデアをたくさん世の中に出してくれたことが大きいんだけど、Bizはそういった人たちに非常に敬意を持っていたね。


 Bizがしきりに言っていた、「ツイッターはテクノロジーの勝利ではなく、人間性の勝利」という言葉。これ大きいと思うんだすよ。オフィスに鳥や木や鹿などの自然のモチーフが多いのも、『自分たちはいわゆるシリコンバレーのテクノロジー企業とは、みなさんに提供している価値が異なる。我々はもっとオーガニックで本質的な、人と人とがコミュニケーションすることによって世の中がよりよい方向に向かっていく、その手伝いをしているのである」という意志の表れなんだそうです。ツイッター社の成功目標も、「誰も行ったことのない技術の高みにいくのではなく、コミュニケーションという基本的な行為をチェインさせていくことで、人々の争いや問題が解決する、そういう世の中を作ること」にあるそうです。これはツイッターによって問題を解決させたいということに加え、ツイッターそのものが人々のコミュニケーションに対する意識をポジティブに変革することができるのではないかっていうニュアンスも入ってたんじゃないかな。


 マネタイズについても質問をし、いろいろと応えていただいて(ここにはかけませんすいません。)とても参考になったのですが、「あくまでも我々は、社会にどんな価値を提供できるかを第一に考えてサービスを開発している。マネタイズはそのあと」ということでした。もちろん同じ創業者でもアートディレクターのBizとCEOのEvan Williams(こないだ変わっちゃったけど)では視点が違うだろうし、Bizはどちらかという情緒的・性善説的なスタンスで話してたっていう偏りはあるんだろうけど。ただその「価値ファースト・マネタイズセカンド」の考え方っ苦しいときこそすごく大切なんだと思う。不況で苦しいとつい、新しい試みに対して「それって投資対効果はいいの?」「失敗したらどうするの?」「人員そんなに避けないよ・・」などなどなど、引き算から思考がスタートしがち。でも今回の研修では、まったくそんなの感じさせない企業ばかりでした。それはやはり、「自分たちは世の中にこういう価値を提供したいし、それって楽しくて素晴らしいことじゃないか!?」というマインドがあるからなんだと思う。みんな、面白さに貪欲だし、オフィスも楽しいし快適だし、そこんはHave Funの精神が徹底してあると思うのよ。これは本当に大きな収穫。


 もちろんいろいろと国が違えば文化風習が違うでしょうから、っていう部分もあれど、根底に流れている人間が大事にしなくてはならない「コミュニケーションすること・つながること」ということに価値を置けているtwitter社は、単なるシリコンバレーの流行り会社ではない、思想を持った会社さんだなと感じました。にしてもマネタイズは結構困っている最中なのかな。。。なんてw


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本日の一枚:

 

Live at Filmore West (Dlx)

Live at Filmore West (Dlx)


 この人の声はなんか、叫びとか嘆きとか訴えが入っているんだけど、でもそんなのも全て全て包み込んでマザーを感じるのです。力強さと土臭さ。なんとなくそんな研修でしたってことでw