3月の”読んだ!”


 もう4月になっちまった!もう月日を見て「早いねー」っていうのやめますけど、やっぱ早いね。社会人になって4年目が幕開けしてしまいオタオタしておりますが、きっと変わらないものは変わらないから、のんびりがんばっていきまっしょう。とはいえ、今年度は昨年度以上にいろいろとやりたいこと・やれそうなことが視野に入ってくる気がしてますからね。視野に入ってきたときにバッと飛び乗れる準備と好奇心と瞬発力、これがテーマだな。今日できることは今日やりましょう。


 で、一応3月読んだ本のリストでまとめ。


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bittersさんの本棚
2011年03月
アイテム数:6
ビジネスで大切なことはすべてGoogleが教えてくれる
アロン・ゴールドマン
読了日:03月06日
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茶―利休と今をつなぐ (新潮新書)
千 宗屋
読了日:03月23日
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されど“服”で人生は変わる
齋藤 薫
読了日:03月24日
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 「茶 〜利休と今をつなぐ〜」がこの中ではダントツで面白かった。今の自分にとってとてもタイミングのいい一冊だったように思います。タイトルどおり、茶道について、利休まで時代をさかのぼった上で、政治的側面・骨董品的側面・アートとしての側面・そしてコミュニケーションとしての側面という風に、様々な角度から分かりやすく論じてます。


 一番、印象的だった言葉として「直心の交わり」っていう言葉がかかれてまして。ジキシンと読むんですけど。茶の湯の究極的な目的は「直心の交わり」、つまり心と心の交わりを、茶の湯の方法論によって実現すること。その最善の手段として【茶事】があり、亭主としては茶事を催し、考え抜いた趣向によってお客様に満足してもらい、そのことで自分も「人を招く喜び」を享受する。客としては修練と教養を積んで、亭主のもてなしを察し、的確に応じることが出来る。そのとき主客の間に成立する人間的で深いコミュニケーションが、双方にとって何よりの喜び、楽しみなのです。と。相手のことを慮る。道具や用意された懐石、お点前、そして所作振る舞い全般に、もてなす側は相手の満足を極限まで追求しつつも、持て成す喜びを自らも享受し、持て成される側も持て成される喜びだけでなく、相手の一つ一つの心遣いに気づけるという自分自身の相手に対する慮りや教養の修練に喜びを感じる。凄まじい心の邂逅がそこにあって、そここそが究極の茶の湯の目的と。


 はああああ、奥が深い。本当に奥が深い。茶の湯の奥の深さを見せられることによって、コミュニケーションの奥の深さについて考えさせられました。相手のことを慮ることは、やりすぎるとともすればかえって相手との心の交わりから遠ざかることもあると思うのね。気の遣いすぎというか、読みすぎというか。かといって配慮が伝わらなければ、それは無関心とも等しい。そのバランスが、長年の、時に政治や権力の天秤棒の中で、あの茶事の時間の中で、あるフォーマットの中に確立されていったことを考えると、すごいことですよね。それを体系付け、世の中にあるひとつの価値として認めさせた利休の、自分が死んだあとも一族が未来永劫食いっぱぐれないように、ある種「家系のデザイン」力は、恐ろしいと思いました。


 空間について、制限について、時間について、五感について、アフォーダンスについて、慮ることについて。考えるとっかかりをたくさんくれた一冊。是非是非。あ、へうげものも並行して読むとなお面白いと思います。こちらも。


へうげもの(12) (モーニング KC)

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 本日の一曲:


なんとなく、晴れ渡って気持ちよかったので、こんな気分です。