ラヂオの時間


BRUTUS (ブルータス) 2009年 3/1号 [雑誌]

BRUTUS (ブルータス) 2009年 3/1号 [雑誌]


 わけあって、ラジオについて調べるここ2日間。ラジオの思い出と言えば、小さい頃我が家にあった防水ラジオが一番覚えてます。特に内容とか理解してなかったと思うんですけど、週末に親父が明るいうちから風呂にのんびり入るのが好きで、風呂のドア越しにエコー掛ったナイター中継が聞こえてくるのが、ああ休みの日だっていう、象徴になってました。

 
 それ以降は、クルマの中ではなんとなくかけるけど、なにせゲーマーだったもので、ラジオを聞いて過ごす時間はそんなになかったわけです。でも、今冷静に考えると魅力的なメディアだなあと思います。目を閉じていても楽しめるし、姿勢も自由だし、なんとなく自分だけに向かって話してくれているようなパーソナルな気持ちになれるし。ラジオ買おうかな。


 このブルータスのラジオ特集で、福山雅治が言ってた印象的な言葉があって。「僕は世の中に”誰がしゃべっても、誰が聴いても面白い話”なんてあまりないと思ってます。じゃあ、人はなぜ笑うのか?それは、話し手が心から面白いと感じている、その感覚が聴き手に伝播するからじゃないかなあ」 これ深いよ。以前、カールじいさんの監督が言ってた、感動は非マーケティングっていう話じゃないけど、発信する人に信念があると、やっぱり強いんだと思います。計算とか理論づくでコミュニケーションを設計しても、突き詰めれば人対人なわけだからさ。どんなに社会の仕組みが複雑になっても、その最小単位の気持ちを忘れたらあかんな。


 ラジオは引き算のメディア。視覚がないからこそ伝わることもあるんじゃないかなあ。「曲を聴いて星空を思い浮かべてほしいと思ったら、星座の名前までは言わないほうがいい」とはミスチル桜井和寿さん。いちいち言い方がかっこいいけど、まあそういう感覚、きっと素敵なことじゃないか。うん。ラジオ買おう。