One Show展に滑り込み

行ってきました@汐留アドミュージアム。行こう行こうと思いながらも、結局最終日の滑り込み。まあ、ベストとかゴールドの作品はどっかしらで見知っているのでおさらいがてらだけど。


 One Showとは、カンヌ国際広告賞、クリオ賞と合わせて世界3大広告賞の一つとされる賞で、ニューヨークで毎年行われているもんです。世界各国のクリエーターが1000人ほど会員になっており、日本からの応募も毎年増えているとのこと。2009年から新たに、革新的で素晴らしい環境分野の広告に対して贈られる「Green Pencil」も加わって、ますます盛り上がっているようで。


 やっぱりベストとかグリーンは面白くて感心させられるものが多かったんですけど、そんなかから一つメモ。



 The Kinetic Sculpture for the BMW Museum


 ドイツのミュンヘンにあるBMW博物館にある、独ART+COM社が制作し、『Kinetic Sculpture』(動く彫刻)と名付けたメカトロニクス的な作品で、大量の銀色の球が動いて構成される見事なインスタレーション。ART+COM社はメディア開発会社で、ハイテクを駆使したインスタレーションを制作しているが、今回はコンセプトの表現に抽象的な方法をとってます。[セル画やCGではなく]現実空間の物体を使った「アニメーション」を通じて、車のデザインを示すとともに、構成要素である多数の球が関係性を保ちながら変化していく様子を表現している。空間に吊られた個々の銀色の球によって点描されるイラストレーションは、非常に正確に動き、動画を早送りすれば、半分になった車体が実際に動いているように見える。この作品は714個の金属球で構成され、個々の球を吊っているワイヤーの長さをコントロールすることで、各球がそれぞれ独立して上下に動くようになっていて、なんか生き物みたい。


 広告かというとあれですけど、ひっくり返していえば、広告の枠を意識することなんて意味のないことにどんどんなっていっていて、むしろいかにそこから飛び出せるか、そこにクリエイティビティや発想を使っていくことに、どんどん価値の軸が動いていっていることは今回のOne Show受賞作品からも思いました。そのときにやはり、日本の広告業界が越えなければいけない壁は、金稼ぎになるかってとこで。どんなに素敵で面白いことを思いついても、ビジネスにならないと実現できないのですよね。そこをクリアすることが、クリエイティビティそのものを発想することよりもよっぽど高い壁だと思います。ビジネスデザインにもクリエイティビティが必要なんだろうなあ。


 ほかにも覚えておきたい受賞作品はあったので、また後日ご紹介いたします。