どこに受信させるか、五感を自由自在に


 技術やデザインは、その恩恵を最も受けられる人間にこそ最適な形で提供されるといいよねと思う今日。



 ブラインドの人のための認識デバイスアプリ。視覚を聴覚に変換してくれるという発想ですね。一昨年あたりから公開しだしているらしい。これを見る限り、動作の確度もかなり高く、十分有用だと思います。「タッチパネルは視覚障害者には不向き」と思っていたんですが、発想一つでどうとでもなるということでしょうかね。ある一つの同じものを見たとしても、人が違えば捉え方も違うように、我々にとってiPhoneの最大のアイデンティティは「ボタンレス・タッチパネル」ということになるのだけれども、ブラインドの人は、その要素以外にいくらでも魅力を見出しているのかもしれない。主体が変われば視点も変わる。ダイアローグインザダークに行った時にもそれは感じました。最近、五感がマイキーワード。五感間翻訳というか、五感のどこに受信させるかで、いろんなことが立体的に訴求できる気がします。


 アメリカ退役軍人省、老齢省、国立視力研究所などからスポンサーシップを受けて少人数で開発しているらしい。日本でこういうことをやろうとしても、まともに売れないだとか、CSRにしては効果が小さいといった理由から大企業では中々手が付けにくい。結局のところ、一部の好き者社長が居る中小企業に利益度外視でまかせるか、大学の研究レベルにとどめる程度。もっと本当に世の中のためになることに、一定以上のお金がしっかりめぐるような、継続発展的な国になればよいですね。


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本日の一枚:

Metaphorical Music

Metaphorical Music

 雨が似合う。こないだ亡くなってしまいましたが、音楽は遺ります故。ご冥福を。