最高級の「何にもしない」を。 〜星のや軽井沢に行ってきたよん〜

 
 社会人3年目お勤め上げの自分ご褒美に、【星のや 軽井沢】に行ってまいりました。コンセプトやロケーション、値段の高さ、マスコミ登場回数などなど、いろいろと注目を集めて、賛否両論の触れ幅の大きいお宿です。基本的にはご褒美で行ってきたんですけど、そういう背景もあってちょっといろいろと観察しがてらの体験になりましたん。



 部屋の概観。全室離れのような構造になってます。集落の中心に大きく池が掘ってあり、水の音が絶えず聞こえます。




 到着するとまずお部屋に通され、チェックイン手続きは全て部屋までクルーが来てやってくれます。遠路はるばる来て早く荷物降ろしてふーっとしたい身としてこれはちょっと嬉しいかも。お茶菓子もこれまた美味し。





 部屋は天井も高く広々とした空間で、あらかじめ暖められておりました。バルコニーも広くて、もうちょい暖かいシーズンならここで本なんか読んでボーっとしたら最高なんでしょねえ。部屋風呂もかなり広いヒノキ風呂で、香りがホントに良い。アメニティグッズも全部オリジナルで開発されているみたいで、特に石鹸が良かった。でも「あんまり持って帰っちゃわないでね」って正直に書いちゃってるところがかわいかったというか、惜しいというか。。。笑





 夕方からなんと雪が結構降り出して、夜はさらに幻想的に。池に行灯を浮かべてライトアップされますので、「ここはどこ??」っていうくらいの隠遁感を味わえました。ただ施設がそれぞれ離れて独立しているので、どんなに寒くても自力で移動しないとならない。フロントに電話すれば車で部屋まで迎えに来てはくれるんですけど、それもなんか手間なので歩いて移動してました。寒いけど、これだけキレイだと、歩きたくなんのよこれが。夜中に少しだけ雲が晴れる時間があって、星が満天で、あー3年目おつかれって気持ちに自分で勝手になってました。





 翌朝の朝日。天気雪になりまして、素晴らしい景色が部屋のバルコニーから見られる。ダイアモンドダストってわけじゃないんだろうけど、雪が日を吸い込んで乱反射させる風が部屋から見れるなんて、ツイてたんだろうね自分。


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 個人的には、かねてより楽しみにしていた滞在で、とても時間だった。雪と星に恵まれたのもかなり大きかったので、純粋に星のやのおもてなしだけではないのはもちろんなんだけど、借景というか、それを最大限活かす、受け皿としてのリゾートのあり方としてはかなり考えられてるなあと思ったよん。施設設備やお部屋のつくり、ランドスケープ、アメニティなどのモノももちろん、「人」も良かった。チェックイン前にお部屋を事前に暖めておいていただいたこと、送迎車に乗る僅かな雨隙に傘をかざしていただいたこと、チェックアウト手続き時に素早く荷置きを横に差し出していただいたことなどなど。もちろんホテル総体としてのマニュアルも徹底されているとは思いますが、それ以上にその場の目の前にいる私たちに対しての心からの慮り・おもてなしのように感じました。
 

 強いて言うならば、「風呂場にカメムシがいたこと」「部屋への通路の平衡が悪いのか、雪解けの水溜りが通路をふさいでしまい、濡れずに通れなかったこと」「ご飯が高い」が不満点かな。


 このお宿は、隠遁とか逗留とか、そういう言葉のために作られているのだなあとつくづく感じました。日常とか肩書きとか、そういうのを脱がしてくれる場所。何者でもない自分になるため、現世を徹底的に忘れさせてくれる場所。みたいな。贅沢ですね。ただ個人的には、「非日常」と「快適」の両立はとても難しいことだと思います。前者だけでは過ごし辛く、後者だけでは所帯じみるし日常生活の垢を落とす体験提供にならない。そのさじ加減を絶えずバランスしながら、今も進化改善し続けているリゾートなのではと思いました。


 また、節目のリセットにうかがいたいと思います。


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本日の一曲:

 
 星のや館内で多様されておりましたゴンチチ。安易っちゃあ安易だと思うけど、さすがに滑らないリゾート感醸し出してました。